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社内報インタビュー vol.4 – 高山星矢

2017年07月18日

株式会社アイデンでは、社員一人ひとりが苦境を乗り越え、成長のために日々懸命に努力を重ねている。業務部設計課の高山星矢も、もちろんその一人だ。今後もさらに学んでいく覚悟を見せる高山は、今までどのような道を歩んできたのだろうか。その軌跡をたどった。

忘れられない失敗

今ではすっかり仕事に慣れた高山だが、入社直後は失敗することもあった。最も記憶に残っているものは、2014年3月に担当した案件だ。始まりは一本の電話だった。

「お宅の制御盤、一体どうなっているんだ。中に雨水が入ってきているぞ!」

数日前に、屋外用の制御盤を納品したお客様からだった。すぐさま社内で調査を開始すると、高山の製作指示に誤りがあったために、漏水が起こっていることが発覚した。雨水の浸入防止策を施す必要があったのに、高山はその工程を見落としていたのだ。

「大変なことをしてしまった」。

迷惑をかけたお客様に対してはもちろん、対応に追われながらも決して高山を責めない部長や課長に対しても、申し訳なさを感じた。だからこそ、いつまでも落ち込んでいるわけにはいかない。高山は顔を上げ、板金を担当している部署へ向かった。緊急対策として、漏水防止のプレートを作成してもらうためだ。仕事を増やしてしまったにもかかわらず、板金担当者は嫌な顔ひとつせず、迅速に作業に取りかかってくれた。翌日、高山は上司たちと共に現地に出向き、完成したそのプレートで応急処置を施した。中の機器に異常がなかったのが、不幸中の幸いだ。修復作業を無事に終え、どうにか事態は収拾した。

この件以降、高山は、二度と同じことが起こらないよう、図面のチェックをより念入りにするようになったという。苦いこの経験は、大きな教訓として高山の心に深く刻まれている。

上司の言葉

季節は巡って2014年冬。初めて本格的な設計案件を任された。それまで上司の仕事を手伝うのみだったが、今回は製作の一式を、高山が一人で行うのだ。不安な気持ちもあったが、一人前だと認められた嬉しさが勝った。

この案件では、高山は以前失敗をしてしまった屋外用の制御盤を扱う。しかも、あまり見慣れない複雑な構造のものだった。だが、名誉挽回のチャンスだと思った高山は、自身を奮い立たせ、果敢に挑んでいった。

実際に取りかかってみると苦労の連続で、頭を抱えることもあった。そんなある日、いつものように図面とにらめっこをしていると、ポンと肩を叩かれた。

「頑張っているな。でも、あまり一人で抱え込んでは駄目だぞ。困ったら何でも聞いてくれ」。

そう声をかけてくれたのは、課長の敦嶋だった。新人高山の教育係でもある。高山の性格を見抜いての激励だった。きちんと見ていてくれたことが嬉しかったし、何よりも心強かった。

「一人ではないんだ……」。

ふっと気持ちが楽になった瞬間だった。

成功をつかみ、さらなる高みへ

高山が製作図面を描く際に重要だと感じているのは、配線作業の様子をイメージしながら作業をすることだ。

「作ってみたら、この部品が邪魔で電線が入りませんでした」では困る。そこで求められるのは、図面を頭の中で立体的に組み立てられる“想像力”と“経験”だ。これがなかなか大変なのだが、思い通りにうまくいった時は、心の中でガッツポーズをするくらい嬉しい。雨風にさらされる屋外設置の制御盤。中に水が入らない構造を考えるのに一番苦労した。屋根は必要か、つけるならどうすべきか。頭の中で何度も何度も立体を組み立てた。そんな試行錯誤の日々を経て、遂に制御盤が完成した時の感動は、今も忘れられない。最も心に残る仕事だ。

この一歩が自信となり、その後も若手ながら責任ある案件を次々とこなしていった。当然、仕事に対するモチベーションも高い。自身の知識補強も兼ねて、電気機器組立て技能士の資格に挑戦する予定もある。

共に働く仲間に向かって

設備や人も増え、会社の雰囲気は変わり始めている。そこで、高山は働く仲間にこう呼びかける。

「お互いに助け合うことで『良い会社』が作られていくのではないかと、私は思っています。組織が大きくなっていっても、部署間の繋がりは、変わらず大切にしていきましょう」。

たくさんの人に助けられてきた経験があるからこそ、強くそう願う。頼もしさに満ちたその顔に、ミスに落ち込んでいたかつてのルーキーの面影はない。高山がさらなる成長を遂げる日も近いだろう。